リフォームとローンを利用した場合、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」と「リフォームローン控除(特定増改築等住宅借入金等特別控除)」の「併用」が可能かどうかは、確定申告で多くの人が疑問に思う点です。両者には明確な違いがあり、特定の条件を満たすことで併用できる場合があります。今回は、これら二つの控除制度の違いと、併用の可能性について解説します。まず、大きな違いは「対象となる借入」と「目的」です。住宅ローン控除は、主に住宅の「新築」や「購入」のために組んだローンが対象で、住宅取得を促進します。一方、リフォームローン控除は、既存住宅の「特定の増改築やリフォーム工事」のために組んだローンが対象で、既存住宅の性能向上などを目的としています。次に「控除期間と控除額」にも違いがあります。住宅ローン控除は、原則として10年間(特定の条件で13年間)控除され、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されます。一方、リフォームローン控除は、控除期間が5年間と住宅ローン控除よりも短く、控除額も年末のローン残高の1%(特定増改築等では2%の場合も)が控除されます。そして、気になる「併用」の可能性ですが、原則として、同一の住宅に対して住宅ローン控除とリフォームローン控除を同時に併用することはできません。しかし、例外として、「省エネ改修」や「バリアフリー改修」など特定の工事を行った場合は、住宅ローン控除の適用を受けつつ、それらのリフォームにかかる費用について別途減税が受けられる「特定増改築等に係る住宅借入金等特別控除の特例」が適用される場合があります。この特例は、住宅ローン控除とは別枠で控除が適用されるため、実質的な併用効果が得られます。併用を検討する際は、非常に複雑な条件が絡むため、必ず税務署や税理士、リフォーム業者などの専門家に相談し、ご自身のケースで最も有利な方法を選択することが重要です。