室内壁にひび割れを発見した際、多くの居住者がまず行うべきことは、そのひび割れが「構造に関わるものか」それとも「内装の劣化か」を識別するためのセルフチェックです。地震による揺れは建物全体に大きな負荷を与えますが、内装のひび割れを修繕する前に、まずは建物全体の状態を確認する必要があります。まず確認すべきは、壁のひび割れと連動して床や天井に歪みが出ていないかという点です。ひび割れの幅が〇・三ミリメートル未満であれば、一般的にヘアラインクラックと呼ばれ、壁紙の乾燥や地震による一時的な歪みが原因であるため、緊急性は低いと判断されます。このような場合は、市販のコークボンドや補修用パテを使って隙間を埋め、上から部分的な壁紙補修を行うことで、初心者でも比較的簡単に修繕が可能です。しかし、ひび割れがクロスの裏側にある下地の石膏ボードまで真っ二つに割れているような場合は、専門業者による下地の交換が必要になります。修繕の方法としては、まず割れたボードの周囲を少し広めに剥がし、継ぎ目に補強テープを貼ってからパテで平滑に整える工程が一般的です。もし地震のたびに同じ場所にひびが入る場合は、その壁に無理な力がかかっている証拠ですので、壁の裏側に合板を貼って補強するなどの対策が有効です。また、賃貸住宅にお住まいの場合は、地震によるひび割れは借主の過失ではないため、速やかに管理会社や大家さんに報告することが義務付けられています。報告を怠ると、退去時に自分の負担で修理させられるリスクがあるため注意が必要です。修繕を機に、地震に強い壁紙、例えば織物調の厚手のものや、ストレッチ性能を持った製品を選ぶことで、将来の地震被害を最小限に抑えることができます。室内壁のひび割れは、そのまま放置すると見た目が悪いだけでなく、壁内部の結露やカビの原因にもなりかねません。地震直後の混乱が落ち着いたら、一つ一つのひび割れに対して丁寧な修繕を行うことが、住まいの健康を維持するために欠かせない作業となります。
室内壁にひび割れが出た時に確認すべき地震の被害と修繕方法