ある郊外の邸宅で行われた、リビングと書斎を合わせた40畳ものフローリング張り替えプロジェクトを事例に、その費用と工程の実際を分析してみましょう。このお宅では、築三十年が経過し、床のきしみと汚れが深刻化していたため、既存の床をすべて撤去し、下地からやり直す全面的な張り替え工法が採用されました。40畳という面積に対して使用されたのは、耐久性と高級感を兼ね備えたオークの複合フローリングです。費用の内訳を見ると、まず既存床の撤去と処分に約十五万円、下地となる合板の補強と不陸調整に約十万円、そしてメインの材料費として一平方メートルあたり七千円のフローリング材が40畳分で約四十六万円かかりました。これに職人三人の五日間の工賃が約二十五万円、幅木の交換や養生費、現場管理費などの諸経費が約十万円加わり、最終的な総額は約百六万円となりました。工期については、40畳の広さがあるため、初日に解体と清掃、二日目に下地の補修、三日目から四日目にかけて新しい板の貼り込みを行い、最終日に幅木の設置とクリーニングという流れで進められました。注目すべきは、40畳という広さが工期の短縮を難しくしている点です。乾燥時間が必要な接着剤を使用したり、複雑なカットが必要な場所が多かったりするため、どんなに人数をかけても物理的に必要な時間は削れません。また、この事例では40畳分の大型家具を一時的に庭の倉庫へ搬出するための引越し費用も別途発生しており、住居内のリフォームがいかに周辺コストを伴うかを物語っています。しかし、完成後の姿は圧巻でした。40畳もの広さが継ぎ目なく、美しいオークの木目によって統一されたことで、家全体の資産価値が向上したことは間違いありません。大面積のリフォームは一時的な負担こそ大きいものの、適切な材料と丁寧な施工を選ぶことで、その後数十年にわたる快適さと安心を手に入れられることを、この実例は示しています。