「クロス張替え」の仕上がりの美しさは、「下地処理」にかかっていると言っても過言ではありません。壁紙を貼る前の壁の状態が悪いと、どんなに丁寧に貼ってもシワや浮き、剥がれの原因となってしまいます。今回は、クロス張替えにおける下地処理の重要性と、その費用について解説します。壁紙を貼る「下地」とは、壁紙が直接接する石膏ボードやベニヤ板などの壁面のことです。この下地の状態が悪いと、壁紙が均一に密着せず、仕上がりの美しさに影響を与えるだけでなく、耐久性も低下してしまいます。もし既存の壁紙を剥がした際に、下地にカビが発生していた場合、専用のカビ除去剤で徹底的に除去し、乾燥させる必要があります。カビを放置したまま新しい壁紙を貼ると、すぐに再発してしまうだけでなく、健康被害のリスクもあります。このカビ除去作業には別途費用が発生し、数千円から数万円程度かかることがあります。また、下地にひび割れや凹凸、穴などがある場合も、そのままではきれいに壁紙を貼れません。パテを使って表面を平らにしたり、補修材でひび割れを埋めたりする「下地処理」が必要です。このパテ処理や補修作業にも手間と時間がかかるため、その分の工事費が加算されます。特に古い家の場合や、結露しやすい部屋では、下地の劣化が進んでいる可能性が高いため、事前の現地調査で下地の状態をしっかりと確認してもらうことが重要ですし、見積もりにも下地処理に関する項目が具体的に記載されているかを確認しましょう。下地処理を怠ると、せっかくのリフォームが台無しになってしまうため、必要であれば適切な費用をかけることが、結果的に満足度の高いクロス張替えに繋がります。