あの日、大きな揺れが収まった後に私が真っ先にしたことは、家族の安否確認と家具の転倒がないかのチェックでした。ひと通りの片付けを終えて、ようやく息をついた瞬間に目に入ったのが、リビングの壁に走る一本のひび割れでした。それは窓の角から天井に向かって斜めに伸びており、昨日までは確かに存在しなかったものです。自分の家が壊れてしまうのではないかという恐怖が、揺れの恐怖以上に私を襲いました。翌日から私は、家中の壁をくまなく調べて回りました。洗面所の入り口、寝室の隅、階段の吹き抜けなど、普段は気に留めていなかった場所に小さな亀裂や壁紙の浮きがいくつも見つかりました。インターネットで検索すると「壁のひび割れは倒壊の予兆」という不穏な言葉も目に飛び込んできて、夜も眠れない日々が続きました。結局、私は思い切って建築時の工務店に連絡を取り、プロの目で診断してもらうことにしました。数日後にやってきたベテランの大工さんは、私の不安を察するように丁寧に見てくれました。結論から言えば、私の家のひび割れのほとんどは、石膏ボードの継ぎ目が揺れによってわずかに動いたことによる表面的なものでした。特に窓周りは力が集中しやすいため、壁紙が裂けやすいのだそうです。「構造には全く問題ないですよ」という言葉を聞いた瞬間、肩の荷が下りるのを感じました。補修についても、自分で市販のパテや壁紙補修キットを使って直せる範囲だと教えてもらい、数日かけて家族と一緒に直しました。自分で手を動かしてひびを埋めていく作業は、地震で傷ついた家を癒やすと同時に、私の心をも癒やしていくプロセスだったように思います。もちろん、全てのひび割れが安全というわけではないことも学びました。もし指が入るような太い亀裂だったり、コンクリートが剥き出しになっていたりしたなら、迷わず専門業者に工事を依頼すべきです。今回の経験を通して、私は家の健康状態に対して以前よりも敏感になりました。地震という自然災害は避けられませんが、家のサインを冷静に見つめ、適切に対処していくことで、住まいへの愛着はより一層深まるのだと実感しています。
大地震の後に見つけた室内壁のひび割れと向き合った私の記録