断熱リフォームを成功させるためには、家全体のバランスを考えた「適材適所」の工事が不可欠です。限られた予算の中で最大限の効果を得るためには、まず熱がどこから最も逃げているのかを知る必要があります。一般的に、冬場に室内の熱が逃げる割合が最も高いのは窓などの開口部で、その割合は約五割にものぼります。そのため、何から手をつけるべきか迷っている方へのアドバイスとしては、まずは「窓」の断熱を最優先にすることをお勧めします。既存の枠を活かした内窓の設置は、壁を壊すような大規模な工事が不要で、費用も抑えられるため非常にコストパフォーマンスに優れています。窓の次に対策すべきは「天井」です。夏場の二階が異常に暑いという悩みを持つ場合、それは屋根から伝わる熱が原因です。天井裏に厚みのある断熱材を敷き詰めることで、夏は涼しく、冬は暖房の熱が上に逃げるのを防ぐことができます。続いて「床」の断熱ですが、これは足元の冷え性に悩む方に劇的な効果をもたらします。床下から冷気が入り込むのを防ぐだけで、体感温度は二、三度上がると言われています。そして、最も大がかりになるのが「壁」の断熱です。壁の断熱リフォームは内装を剥がす必要があるため、壁紙の張り替えや間取り変更を伴う大規模リフォームの際に一緒に行うのが賢明な選択です。素材選びについても知識を持っておくと良いでしょう。安価で施工しやすいグラスウールや、湿気に強いスタイロフォーム、隙間なく充填できるウレタンフォーム、調湿効果のあるセルロースファイバーなど、場所や目的によって最適な素材は異なります。また、断熱とセットで考えるべきなのが「気密」です。どんなに良い断熱材を入れても、隙間風が入ってきては効果が半減してしまいます。プロの業者を選ぶ際は、断熱だけでなく気密性能についてもきちんと説明してくれるかどうかをチェックしてください。さらに、現在は国や自治体が断熱リフォームに対して手厚い補助金制度を設けていることが多いので、これらを活用することで実質的な負担を大幅に減らすことが可能です。目先の安さだけに囚われず、将来の快適性と経済性をトータルで判断することが、後悔しない断熱リフォームを実現するための唯一の道と言えるでしょう。
失敗しない断熱リフォームのための部位別対策と賢い選択